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2.メンバーとグループを組む

自己紹介

 PBL授業では、4人前後の学生でグループを作ります。授業でグループを組んだら、自分から積極的に自己紹介をしましょう。自己紹介では、名前などの基本的な事柄に加えて、(1)大学で興味のある科目・専門分野、(2)将来就きたい職業・関心のある職業についても話すとよいでしょう。これにより、メンバーはあなたがどのような学習経験・学習資源を持っているかを知り、その後のグループ学習に資するでしょう。

 

グループ活動の素地を作る

 グループ学習は、各メンバーが受けてきた教育経験で大きな差が出ます。グループを組んで間もない間は、(1)どんな意見や考えも自由に発言する、(2)メンバーが意見を述べたら必ず何かしらの反応を返す、の2点を意識して行うよう心掛けましょう。

 発言内容が正しいか間違っているかを問わず、意見を表明するということは、あなた自身の思考力を伸ばすとともに、メンバーの思考を刺激します。学生の多くは、意見を述べることに対して「間違えたら恥ずかしい」「自信がない」と思っていますが、実際に発言してもらうと正しい考えであったり、有益な意見であることがほとんどです。この段階では、とにかく発言することを心掛けて下さい。

 メンバーが意見を述べた際に、自分の考えと少しでも違う点があれば、必ず発言しましょう。「だいたい同じ意見だから」「議論の時間が延びると迷惑だから」と考えて発言しない学生がとても多いのですが、後で間違いに気づき、学習成果を大幅に修正する必要に陥れば、結果的に膨大な時間が必要となり、効率的な学習ができません。

 

教員との接し方

 PBL授業では、教員は学習内容を教えてくれる存在ではありません。グループ討論や自己学習を支援する存在です。そのため、教員はみなさんの議論を聞き、「なぜそう考えるのですか?」「なぜそう言えるのですか?」という形の質問をしつこくするでしょう。そうした問いを重ねていき、どうしても議論が進まなくなった時に、教員は学習のためのヒントを出します。PBL授業では、積極的に自分たちの議論を教員に聞いてもらい、コメントを引き出せるよう接することができれば、グループ学習が円滑に進みます。

 

基本的なルール

 PBL授業は、学生のグループ学習と自己学習で成り立ちます。よって、授業に参加すると言うことは、欠席を一切せず、グループで決めた役割に責任を持つということです。こうした態度は、社会では仕事以前の常識ですから、PBL授業でも強い決意を持って参加するよう心掛けて下さい。

 

コラム:グループ活動中に発言が少なめなあなたへ

 グループ内で自由に意見を述べましょうと言いましたが、それでもやはり苦手な方がいるでしょう。そうした無口で慎重な性格が持つ長所もありますが、PBL授業ではそうした性格が不利になる場合があります。議論を通じて学ぶということは、これまであまり経験してこなかったかも知れませんが、社会における重要な学習方法の一つなのです。

 グループにあまり発言をしない学生がいた場合、他の学生はどのような印象を持つでしょうか。そうした学生の考えや経験からは、何も学ぶものがないという認識を持つかもしれません。

 いかに豊富な知識を持っていても、自分が考えていることを言葉にして述べないということは、その知識が議論の文脈の中で妥当なものであるかを検証する機会を失うことになります。また、優れた考え方を持っていたとしても、それが他者に正確に伝わらなければ、最終的な成果を高めることができません。発言することは、あなたが持っている知識を活用・統合する作業であり、重要な学習経験なのです。

 そして何よりも、あなたが発言しないと、他のメンバーはあなたが本当に学習しているのか、本当に今取り組んでいる問題を理解しているのかについて疑念を抱く場合すらあるかもしれません。

 発言を控えてしまう学生の多くは、「議論に十分貢献できるほどの発言が自分にはまだできない」と思っているようです。勘違いな発言をしたり間違った発言をすることは、だれでも恥ずかしいものです。しかし、社会に出ると物事を理解しているという判断・評価の大部分が、その人の発言を通して行われます。

 自分はグループ活動中の発言が少なめと思うあなたは、こうしたことを冷静に考えて意識的に発言に努めるようにして下さい。よくあるケースですが、グループに一人多弁な学生がいることでなかなか発言できないこともあります。こうした場合は、「発言しにくい雰囲気が気になる」「発言しにくい自分の性格を気にしている」「本当はもっと発言したいと思っている」とメンバーに率直に話してみることが思った以上に有効です。メンバーが、あなたに発言を促すように少し配慮してくれるようになるでしょう。